- 基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違いは?
- 応用情報技術者試験の方が簡単って本当?
- 応用情報技術者試験から受けても良いの?
こんなお悩みを解決します。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験はIT系試験の中でも人気の試験です。
一般的には、応用情報技術者試験の方が基本情報技術者試験よりも難しいとされていますが、応用情報技術者試験の方が簡単と言う人もいます。
そこで、本記事では「基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違い」また「本当に応用情報技術者試験の方が簡単なのか」まで徹底解説します。
私は基本情報技術者試験、さらに上位の上位試験の応用情報技術者試験に合格しています。
この記事を最後まで読むと、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違いについて理解でき、あなたがどちらの試験を受験すべきなのかが分かります。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違い
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験を様々な項目で比較をします。
各項目の比較結果は以下の通りです。
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
試験形式 | CBT方式 | 筆記形式 |
実施時期 | 通年 | 春期・秋期の年2回 |
受験料 | 7,500円(税込) | 7,500円(税込) |
試験時間 | 科目A試験:90分 科目B試験:100分 | 午前試験:150分 午後試験:150分 |
問題形式 | 科目A試験:多肢選択式(四肢択一) 科目B試験:多肢選択式 | 午前試験:多肢選択式(四肢択一) 午後試験:記述式 |
出題問題数 | 科目A試験:60問 科目B試験:20問 | 午前試験:80問 午後試験:11問(選択して5問解答) |
合格基準点 | 科目A試験:600点/1,000点 科目B試験:600点/1,000点 | 午前試験:60点/100点 午後試験:60点/100点 |
採点方式 | IRT方式 | 素点方式 |
合格率 | 52.32% (2023年4〜8月 の5回分の平均合格率) | 24.94% (2021年春期〜2023年春期 の5回分の平均合格率) |
1つずつ紹介します。
試験形式
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
試験形式 | CBT方式 | 筆記形式 |
基本情報技術者試験はCBT方式で、応用情報技術者試験は筆記形式となっています。
基本情報技術者試験のCBT方式とは、試験会場にあるパソコンを使用して解答する方式です。
一方で応用情報技術者試験は筆記試験のため、試験会場に筆記用具を持参して回答する必要があります。
どちらかといえば、筆記試験の方に慣れている方が多いかもしれませんが、基本情報技術者試験の方がより手軽に受験をすることができます。
実施時期
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
実施時期 | 通年 | 春期・秋期の年2回 |
基本情報技術者試験は通年実施で、応用情報技術者試験は春期・秋期の年2回実施となっています。
基本情報技術者試験はいつでも受験することができます。受験当日も一度に全員が実施するわけではなく、人それぞれ都合の良い時間に試験会場に行き、試験を開始することができます。
一方で応用情報技術者試験は年に2回しか実施していないため、全国で同じ時間で一斉に試験を進めます。もし試験結果がうまくいかなかった場合には次の受験が半年後になります。
受験料
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
受験料 | 7,500円(税込) | 7,500円(税込) |
受験料には違いがなく、どちらも7,500円(税込)で受験することができます。
一度合格すれば更新等する必要はありません。
試験時間
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
試験時間 | 科目A試験:90分 科目B試験:100分 | 午前試験:150分 午後試験:150分 |
基本情報技術者試験の科目A試験が90分、科目B試験が100分です。
応用情報技術者試験は午前試験が150分、午後試験が150分です。
応用情報技術者試験は合計300分(5時間)も試験時間があります。特に午後試験は時間いっぱい集中力を保つ必要があり、気軽に受けられるような試験ではありません。
問題形式
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
問題形式 | 科目A試験:多肢選択式(四肢択一) 科目B試験:多肢選択式 | 午前試験:多肢選択式(四肢択一) 午後試験:記述式 |
基本情報技術者試験の科目A試験は4択問題で、科目Bは多肢選択問題となっています。
応用情報技術者試験の午前試験は4択問題で、午後試験は記述式の問題となっています。
基本情報技術者試験はすべて選択問題で、極端に考えれば誰でもまぐれで合格する可能性があります。
一方で応用情報技術者試験は、午後試験が記述式となっているため、まぐれで合格するということはありません。
出題問題数
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
出題問題数 | 科目A試験:60問 科目B試験:20問 | 午前試験:80問 午後試験:11問(選択して5問解答) |
基本情報技術者試験の科目A試験は60問、科目B試験は20問で、すべての問題を解答する必要があります。
応用情報技術者試験の午前試験は80問、午後試験は11問で、大問1の「情報セキュリティ」が解答必須問題となっており、その他4問は選択して合計5問を解答する形式です。
応用情報技術者試験の方が簡単と言われる一番の理由はこの形式の違いによるものです。
基本情報技術者試験の科目B試験では、プログラミングのアルゴリズム問題が解答必須となっていますが、応用情報技術者試験の午後試験では、プログラミングの問題を選択しないことで回避することができます。
プログラミング問題が苦手な方が多いため、逃げ道が用意されている応用情報技術者試験の方が簡単と言われているわけです。
本当に応用情報技術者試験の方が簡単なのか、詳しい詳細は後述します。
合格基準点・採点方式
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
合格基準点 | 科目A試験:600点/1,000点 科目B試験:600点/1,000点 | 午前試験:60点/100点 午後試験:60点/100点 |
採点方式 | IRT方式 | 素点方式 |
合格基準については、どちらも6割の点数を取ることで合格となっています。
ただ、基本情報技術者試験については採点方式が素点方式ではなく、IRT方式となっているため注意が必要です。
素点方式とは、「1問何点」と決まっている方式です。
IRT方式とは、Item Response Theory(項目応答理論)の略で、「1問何点」という方式ではなく、全体の解答結果に基づいて配点が決まる仕組みです。
IRT方式については、具体的にどのような採点がされているのかわかりませんが、試験問題の6割ぴったり正解しただけでは安心できない方式ということです。
合格率
基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) | |
---|---|---|
合格率 | 52.32% (2023年4〜8月 の5回分の平均合格率) | 24.94% (2021年春期〜2023年春期 の5回分の平均合格率) |
合格率には大きく違いがあります。
基本情報技術者試験は52.32%で、応用技術者試験は24.94%となっています。
基本情報技術者試験は2023年(令和5年)4月から試験制度に大幅な変更がありました。
そのため、新制度になってからの合格率の平均を掲載しています。
基本情報技術者試験は半数以上は合格するのに対して、応用情報技術者試験は20%台しか合格しない試験です。
合格率を見ると、応用情報技術者試験の方が難しい試験だといえるでしょう。
2023年(令和5年)4月からの基本情報技術者試験の試験制度の大幅変更について、詳しくは以下を参考にしてください。
応用情報技術者試験の方が簡単?応用から受験しても良いの?
結論、応用情報技術者試験の方が難しいです。
基本情報技術者試験をまずは取ってから、ステップアップとして応用情報技術者試験を取るのがおすすめです。
ただ、どうしても応用情報技術者試験から受験したい方もいると思いますので、どういう方が応用情報技術者試験からでも受験するべきなのかを解説します。
応用情報技術者試験の方が簡単と言われている理由は?
応用情報技術者試験の方が簡単と言われている一番大きな理由は、午後問題でプログラミング問題を回避できる点です。
基本情報技術者試験の科目B問題は、すべての問題が解答必須問題となっており、プログラミング問題であるアルゴリズム問題を必ず解く必要があります。
一方で応用情報技術者試験の午後試験では、問題を選択できる形式となっており、プログラミングの問題を回避できます。
もちろん、基本情報技術者試験の科目A試験と応用情報技術者試験の午前問題はどちらも全ての問題が解答必須でプログラミング問題を解く必要があります。
ただ、科目A試験も午前試験も全体の問題数が多く、出題されたプログラミング問題が2、3問解けなかったとしても他の分野でカバーができます。
そのため、プログラミング問題が苦手であっても合否にはあまり関係しないのです。
つまり、プログラミング問題が苦手な人が多いため、プログラミング問題を回避できるという意味で応用情報技術者試験の方が簡単と言われているわけです。
応用情報技術者試験は簡単なの?
結論、応用情報技術者試験は簡単ではありません。むしろ難しいです。
試験の内容としては、基本情報技術者試験の問題がより一段階難しくなっています。
私自身どちらの試験も合格しましたが、応用情報技術者試験の方が明らかに難しかった記憶があります。
また、応用情報技術者試験の午後試験の問題形式は記述形式のため、まぐれで合格することもありません。
合格率を比較しても、基本情報技術者試験は53.3%で、応用技術者試験は24.94%と、応用情報技術者試験の方が難しいのは明らかです。
基本情報技術者試験に合格して着実に力をつけてから、応用情報技術者試験に挑戦することを強くおすすめします。
応用情報技術者試験から受験しても良いの?
基本情報技術者試験から応用情報技術者試験という流れで受験するのがおすすめですが、どうしても応用情報技術者試験から受験したいという方もいるはず。
以下に当てはまっている方は、応用情報技術者試験から受験しても問題ないかと思います。
- どうしてもプログラミング・アルゴリズム問題を解きたくない方
- 得意分野がある方
- 記述に自信がある方
勉強方法
基本情報技術者試験の勉強方法
基本情報技術者試験の勉強は以下の3つの方法があります。
- 過去問道場
- 参考書
- 通信講座
過去問道場
過去問道場とは、基本情報技術者試験の過去問を無料で演習することのできるWebサイトです。
既に基本情報技術者試験レベルのIT知識がある方は、最初から過去問を演習するのも良いでしょう。
過去問を何度も解くことで、問題に慣れていき解けるようになります。
参考書
参考書で学習する場合は、インプット用の教材とアウトプット用の教材に分けて考えましょう。
インプット用教材としては以下の2つがおすすめです。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
イメージ&クレバー栢木先生の基本情報技術者教室
基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
アウトプット用教材はパーフェクトラーニングがおすすめです。
もちろん、オンラインで演習することに抵抗がない方は、過去問道場を使ってアウトプットするのも良いでしょう。
通信講座
通信講座で学習を進める方法もあります。
通信講座はスタディングがおすすめです。 スタディングでは、基本情報技術者試験に合格するとAmazonギフト券5,000円分がもらえる合格お祝い制度もあります。 スタディングについては以下の記事を参考にしてください。基本情報技術者試験には、科目A試験免除制度というのがあります。
科目A試験免除制度を活用したい場合は、免除制度対応の通信講座で学習する必要があります。
おすすめの免除制度対応の通信講座は以下の記事を参考にしてください。
応用情報技術者試験の勉強方法
応用情報技術者試験の勉強は以下の3つの方法があります。
- 過去問道場
- 参考書
- 通信講座
過去問道場
過去問道場とは、応用情報技術者試験の過去問を無料で演習することのできるWebサイトです。基本情報技術者試験、応用情報技術者試験のどちらも対応しています。
既に応用情報技術者試験レベルのIT知識がある方は、いきなり過去問を演習するのも良いでしょう。
過去問を何度も解くことで、問題に慣れていき解けるようになります。
参考書
参考書で学習する場合は、インプット用の教材とアウトプット用の教材に分けて考えましょう。
キタミ式はインプット用、ニュースペックテキストと合格教本はインプットとアウトプットどちらともできます。
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
ニュースペックテキスト 応用情報技術者
応用情報技術者 合格教本
通信講座
通信講座で学習を進める方法もあります。
通信講座はスタディングがおすすめです。 スタディングでは、応用情報技術者試験に合格するとAmazonギフト券5,000円分がもらえる合格お祝い制度もあります。まとめ:基本情報技術者試験から受けるのがおすすめ
今回は、応用情報技術者試験と基本情報技術者試験の違いについて紹介しました。
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験より難しいのは間違いありません。
大半の方は、基本情報技術者試験から受けて、ステップアップして応用情報技術者試験を受けるのがおすすめです。
どうしてもプログラミング問題を解きたくない方は応用情報技術者試験から受験するのも良いでしょう。
本記事が、あなたの基本情報技術者試験の合格の一助となれば幸いです。
それでは。